#3/CRYAMY (1枚目/D)
自己紹介
はじめまして。このブログでは専門的な知識を持たない、音楽をきくのも、ライブにいくのも好きな大学生2人が各々好きな音楽について、好きなように書いていこうと思っています。ただただそれだけです。
僕は髪型が今ドレッドなのでDreadの頭文字を取って、『D』という名前にでもしておこうと思います。
まだその音楽をきいていない人のこれからの楽しみを奪ったり、すでにその音楽が好きな人も含め自分なりの解釈や感想を押し付けたりするのも嫌なので、なるべく気をつけようと思います。
初回にぐだぐだと自己紹介をしても、意味がないと思うので早速好きな音楽についてつらつらと書いて行きたいと思います。
#3/CRYAMY
記念すべき一枚目を何にするかと考えたときに、まずこのバンドが浮かんだ。個人的に2019年に出会って良かったバンドランキング1位である。因みにバンドの名前の読み方は『クリーミー』である。
そしてこれが、CRYAMYが2019年の年末に新しく出したEPだ。タイトルもジャケットも至ってシンプル。
まずそもそもこのバンドとの出会いを話したい。YouTubeを見ながらゴロゴロしていた時にふとおすすめに出てきたのがCRYAMYの『物臭』という曲だった。陰鬱な雰囲気の曲に、どこか自分と重なるものを感じつつ良いバンドを見つけたなと思った。最近は新しく知ったバンドやアーティストで良いなと思う人はなるべくライブの予定をチェックするようにしているので、この時もライブの日程を見てみると、丁度2,3日後に予定が空いている日と近場でライブがある日が被っていた。そんな偶然に惹かれたのもあってライブを見に行った。
どう考えても音源よりライブのほうが好きだった。音源以上にうるさいギターと音源以上に荒々しく叫ぶボーカルの声、暴れまくるメンバー、ぎこちなくて核心をついているような外しているようなMC、そのMCから垣間見えるボーカル・カワノの人間性、その全部をひっくるめて惹かれてしまった。ライブハウスでCDを買ってきて何度もきいた。そこから2,3度、近くでライブがあるたびに見に行っているバンドだ。
そんな大好きになってしまったCRYAMYが新譜を出すというのだから買わないわけにはいかなかった。数年ぶりに発売日の前日の店着日、いわゆるフラゲ日にタワレコまで足を運び購入した。早くききたすぎて真っ直ぐ家に帰り、速攻できいてみる。買ったCDをきくときは、こだわりといえる程のシロモノではないが、基本的にCDについている歌詞カードを見ながら他には何もせずきくようにしている。
1つ目の記事でこんな事を書くと嘘くさくなってしまうが、初きき(初見のきく版)で音源だけで泣いたのは初めてだったかも知れない。嘘くさいが、それほど良かったからこそ1つ目の記事に選んだのだ。
全体を通して、MCやSNSを通して垣間見えるカワノの人間性がその歌詞や曲に現れているなと強く感じる一枚だった。(そもそも音楽というものがアーティストの人間性の発現なのかもしれないが。)そして何より、カワノの声が曲をきかせてくるのだ。問答無用で曲にきき入ってしまう。カワノは僕にとってそれほど魅力的なボーカリストなのだ。陰鬱な毎日を過ごしている一人暮らしのゴミが散らかったような、色で言うと深い紺色のような、そんな情景が浮かびそうで、だけどポップで軽快で光となるような部分も感じられる曲調と、個人的にだが自分が今の自分で良いと思えるような救いになる歌詞に衝撃と感動をすごく受けた。
このEPに入っている曲は全てお気に入りで大好きな曲だが、特筆して好きな曲について触れたいと思う。
M.1 世界/CRYAMY
個人的にイントロが長めの曲はそんなに好みではないが、この曲のイントロは好きだ。一曲目というEP全体の始まりとも言えるこの曲のイントロは、曲自体そしてEP全体への期待値を大きく上げた。
僕はカワノの歌詞に使う言葉選びが大好きなのだ。難しい言い回しや難しい言葉を使うわけでもなく、普通の言葉を使っていることが多いように思うが、それがやけに自分にしっくりくる。スッと自分の中で受け入れられる言葉なのだ。
たった100円出すだけで買えるようなコーヒーや 何億円もするビルがどこにでもあるようにあなたも
どうせ探せばいるようなどこにでもいるような人さ それでも生きてて欲しいからあなたは生きていてね
僕がこの曲の中で好きなワンフレーズだ。単語も言い回しも特別ではないけれど、曲に乗せられ、カワノが歌うだけで受け入れてしまうのだ。
このフレーズが好きだと言ったがこの曲は一曲通して歌詞がとても好きなので、もしきくならぜひ歌詞カードを見てほしい。
M.5 月面旅行/CRYAMY
このEPの中で今の所唯一MV化されている曲だ。久しぶりに7分を超えるような曲をきいたような気がする
まず曲の入り方が好き。ゆっくりとサビを歌い上げ、全員で楽器をかき鳴らしイントロへ、この入り方が好きな人は多いと思う。そのサビの歌詞もめちゃくちゃ良い。これは引用しないので、ぜひMVできいてみて欲しい。
サビの歌詞を引用しないと書いたが、きいていて、そして歌詞カードをみていてこの曲にグッと惹かれた部分を引用したいと思う。
おそらくBメロなのだが一番の歌詞が
夜呼ぶもう居ないのは随分寂しいから
呼ぶ来ないあの昔描いた理想の終点を
そしてBメロ二番の歌詞が
夜酔うもう居ないのは随分寂しいから
呼ぶ来ないあの昔描いた理想の終点を
とある。個人的な感じ方になってしまうが、この歌詞にストーリーを感じずにはいられなかった。たった『呼ぶ』『酔う』の違いしかないのにまるで情報が違う。一番では寂しいという感情がありながらも、『呼ぶ』ことは出来たのだ。しかし結局は『酔う』ことしか出来ず、ある種寂しさが一層際立っている。このストーリー性が歌詞のリアリティを生んでいるように感じる。僕はリアリティのある日本語歌詞がとても好みなのだ。それに自分と重なる部分があれば、一層惹かれてしまう。この部分は韻を踏んで、きいているだけではきき逃してしまうかも知れないというのも、表現として好きだ。これ以上書くと、この記事の頭にかいたポリシーに反してしまいそうなのでこの辺で留めておくことにする。すでに若干反しているような気もするが。
そして曲途中で転調するのだが、驚いてはいけない。多くの邦楽ロックでもCメロやラスサビ前で転調するイメージがあると思うが、少し違う。駆け抜けていくような転調でも、ラスサビで一気に盛り上がるような転調でもない。しんみりと、でも激しく心揺さぶるような転調なのだ。これもきいて体感して欲しい。転調後の歌詞もめちゃくちゃ好きだ。
この曲は折角MVが上がっているのでとにかくそれをきいてほしい。
M.6 プラネタリウム(半角かも)/CRYAMY
もうきいてくれ。それだけ。他の曲に比べて一層真っ直ぐな曲なように思う。歌詞もメロディも全部がだ。
歌詞でも会話でもうまいことを言おうとしなくても、まっすぐに素直なことを言えばそ
れだけで響くし心を動かすことがあるのだ。
僕はうまいことを言おうとしている音楽も、無茶苦茶な音楽も、ひねくれた音楽も、根暗な音楽も、もちろん真っ直ぐな音楽も全て好きなんだけどね。
最後に上で書いた『月面旅行』のMVを貼っておくのでよければ。